1つは創業者ハンス・ウイルスドルフの物語である。著者はここで、当時、盲点だった紳士用腕時計市場に集中した事業戦略、アメリカ展開時の広告会社の厳選、VIPと結びつけたイメージ戦略など、起業家としてのすぐれた手腕やブランド・ビジネスのエッセンスを描き出している。同時に「ROLEX」の商標やクラウンマークの由来など、気になる部分の解明も忘れていない。
もっとも公開情報の少なさからか、人物の伝記としてはまとまった量には至っていない。物語の空白は著者の推測で埋められてもいる。ロレックスを知ろうとする人にこうしてさまざまな推測をさせてしまうしかけこそが、ブランド戦略の核心だといえるのだろう。
もう1つは、オイスター、パ
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